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 引越し

 私の会社は4月1日付けと10月1日付けでの異動が多い。8月までは、左隣と両斜め前の席には誰もいなくて(社内で孤立しているわけではありません)、その席に資料や端末などを置いて、広々と使っていた。

 しかし、左斜め前に転入者が座ることになり、片付けをすることに。膨大な資料を整理するのは、ちょっとした引越しである。

 引越しと言えば、いつも日通の対応の悪さを思い出す。日通が何でもかんでも悪いとは思わないが、少なくとも私は日通に家具を壊され、買ったばかりのピアノを傷つけられた。

 転勤を伴う辞令では、当然会社が引越しの費用を持つが、日通が指定業者となっている。なので嫌でも日通を利用するしかない(もちろん自腹を切れば別ですけど)。

 私は日通が来るたびに、物の扱い方がひどいと感じていた。そして、ついに破壊されたのだ!

 初めてピアノを購入したときは、その嬉しさのあまり、ピアノを解体するところから、クレーンでの搬入、組立などをビデオに収めた。ピアノを赤子のように丁寧に扱ってくれる業者には、手際のよさに驚くとともに、ピアノを大切に思うお客の気持ちを十分に汲み取ってくれていることに感謝した。

 それが、日通はどうだ。いきなり、「新聞紙下さい」と言うと、まるめた新聞紙で固定する。直接ダンボールを無造作にピアノに当てて、ロープで締め上げる。

 「貴様ら、このピアノを買うために、どれだけの苦労をしたのか分かっているのか!」

 引越し先に到着したピアノは、案の定、足に1センチ大のへこみ傷を付けられた。それだけではない。箪笥も壊された。

 早速、業者を呼びつける。箪笥は修理用のボンドで直すだけ。ボンドが固まるまで使えないのだから、片付けもままならない。あまりにもひどい対応だったので、もともと壊れていた本箱も引越し中に壊されたと言って修理させた(詐欺ではありません。壊れてはいたけど引越しでさらに傷みがひどくなったので修理させたのです)。

 ピアノの対応には時間がかかった。日通はちょっとしたへこみ傷なんて傷とも思わないようで、引越し中についた傷だということを認めさせるのに一苦労。傷を確認するために来たときは、汚ねえ手でピアノを触りまくり、後ろから蹴り飛ばしてやろうかと思った。

 もちろん、私は紳士なのでそんな野蛮なことはいたしません。

 2週間後ぐらいに、修理のために専門業者が来た。修理をしてくれた人は、自他共に認める最高の技術者。元ヤマハの社員で、ピアノクリーナーを開発したり、調律師にピアノが傷つかないような扱い方を指導するほどの実力者。ヤマハからは定年退職時に会社に残って欲しいと懇願されたらしいが、自分で指導所を立ち上げたらしい(今はどうされているかは知りませんよ。名刺は持っているけど)。

 この人の技術はすばらしい。修理が終わった後、「ここまで綺麗に仕上げることができるのは私だけですよ」と臆面もなく言ったが、本当にどこに傷があったのか分からないのだ。修理した場所を教えてもらったが、それでも分からない。光の角度を変えて見ても、本当に分からないのだ。

 まさに、職人!

 日通の××、○○、てめえらにピアノを運ぶ資格はねぇ!

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