咳 とみくじマラソン
2年9カ月ぶりにマラソンを走った。昨今は、異常なマラソンブームで大会に出ること自体が難しい。皇居の周辺は朝から晩までランナーでごった返している。ジョギングすらゆっくりとできない状況である。大会のエントリーも受付日に定員に達することも珍しくない。こうなると参加できる大会は、地方の交通が不便な大会に限られてくる。というわけで、里帰りを兼ねて、大分県国東で開かれる、とみくじマラソンにエントリー。
国東は、「くにさき」と読む。大分県人にとっては、くにさきと読むのが当たり前だが、知らない人は「こくとう」と発音するので、会話が成立しないことがある。
まあ、そんなことはどうでもいい。
この大会のフルマラソンの部での参加者は約700人。昨今のマラソンブームから見ると、参加人数は非常に少ない。しかし、それでも昨年の倍以上の参加者である。ハーフや10キロなどを含めると、4,000人以上が参加している。参加者のほとんどが2時間以上かかるところから来ているのに、これだけの人が集まるのだから、マラソンブームは本当に恐ろしい。
国東は、大分市内から遠い。市内の実家から、高速を使っても1時20分ぐらい。前日に会場まで行ってエントリーをしたが、これだけで疲れてしまう。
今回の目標は4時間での完走。しかし、1週間前にひいた風邪の影響で咳が止まらない。前日も咳が止まらなくて、寝たのが深夜2時。起きたのが、4時30分。それから、車で1時間20分かけて会場に向かい、完全に寝不足。モチベーションも上がらない。
でも、天気はいい。参加人数も少ないので走りやすい。咳と寝不足でもそれなりの記録を出るだろうと思っていたら、実は、とんでもない高低差のある難コースだった。
スタート〜5Km 26分46秒44
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地元の人が家の前で応援してくれる。地元の中学生、高校生が体操服を着て、給水所で水を渡してくれる。本当にありがたいことである。
5〜10Km 27分4秒84 合計53分36秒28
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10〜15Km 30分11秒46 合計1時間23分47秒74
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田んぼの脇には、七福神のはりぼてが。かかしの変わりだろうか、それともこの大会のために準備したのだろうか。神様も応援してくれる。
しかし、この道路に出てから約5キロは登り道。坂道もきついが、何よりも向かい風がすごい。風で足が進まないのである。さらに風を受けて、咳が止まらなくなった。ペースが急激に落ちる。
15〜20Km 40分17秒52 合計2時間04分05秒26
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17キロ地点ぐらいで折り返しがあるのだが、この手前は急な坂道。これは咳がなくてもきつい。咳き込みながら折り返すと、下りと追い風になって、ちょっと楽になる。19キロ地点ぐらいから、また坂道。標高差60メートルぐらいを数百メートルで登りきるのだから、これはかなりきつい。自転車でも相当な脚力が必要になる坂道である。
20〜25Km 45分30秒53 合計2時間49分35秒79
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標高最高地点からは、一気に駆け下りるのだが、この道路が非常に狭いし、急坂である。膝を痛めるのは必至。途中で犬鼻トンネルというのがあるが、このトンネルは、幽霊が出そうなトンネルである。明治時代にでも作ったのだろうか、壁がでこぼこしたトンネルで、中はひんやり、天井のどこかからか水滴がピチョピチョ・・・
回りには数名のランナーしかいない・・・
怖い・・・
トンネルを抜けて、急坂を駆け下りると、また立派な道路。しかし、また上り坂。沿道のおじいちゃんが、
「すまんのぉ、きちぃのぉ、あと1.5キロは登るけんなぁ」
と綺麗な大分弁で応援してくれる。
24キロ地点ぐらいに成仏寺があるが、ここでまた折り返し。ここを折り返せば、10キロぐらいかけて、だらだらと下り坂になるのだが、あと18キロもあるかと思うと、成仏しそうである。
合掌・・・
ここには給水所があり、おにぎりのサービスもある。給水所のおばちゃんが、
「おにぎりがあるのは、ここだけ。ブログに成仏寺の給水所は良い人だと書いといてなー」
と言うので、これはブログではないが書いておこう。
おにぎり美味しかったです。みんな良い人でした。
25Km〜30Km 30分09秒88 合計3時間19分45秒67
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30Km〜35Km 39分03秒94 合計3時間58分49秒61
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ゴールでは妻も待っている。あんまり待たせるのも申し訳ないのだが、目標設定時間を4時間から5時間に変更。
35Km〜40Km 38分40秒06 合計4時間37分29秒67
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40Km〜42.195Km 18分13秒48 合計4時間55分43秒15
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民家の中を登っていくのだが、途中で子供とすれ違い、「がんばってください」と声をかえてくれて、さらにハイタッチ。ずっとこんな感じで応援してくれる。
41キロ地点では、歩いている私をおじいちゃんが、「もう少し、一緒にがんばりましょう!」と声をかけて抜いていく。
そしてやっとゴール。
疲れた・・・
ゴール直後には、先ほどのおじいちゃんが、「おとうさん、よくがんばった!」と手を差し伸べてくる。誰がおとうさんやねん、と思いつつも、二人で固い握手。
ゴール後にもらった記録証では、4時間55分44秒。目標より1時間遅かったが、この難コース、体調不良を考えれば、まあよしとしよう。
コースは、田んぼの中、山の中を走るので、応援者は少ない。でも、道沿いにぽつぽつとある民家の前では、家族全員が出て来て、応援してくれる。町の人すべてが、この大会に関わり、楽しみ、盛り上げている。
大会会場では、出店も多く、多くの家族がくつろぎながらこのイベントを楽しんでいる。地元出身のプロレスラー藤波辰爾も参加している。ウルティモドラゴン対アステカのエキシビジョンマッチもあったようだ。プロレスファンの私にとっては、走るよりこっちを見たいぐらいだ。試合のあとは、藤波のレスリング教室もあり、子供たちはリングに上がって、おおはしゃぎ。
田舎ならではの、あたたかい大会である。
超難コースですけどね・・・