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 和み月

 2010年11月、別府・亀川温泉に行った。宿泊先は、個室露天風呂付きの和み月

 ネットでのクチコミ情報を見ると評価が高い。期待できる旅館である。

 実際に宿泊してみると、ほとんどは期待通りだったのだが、最後の最後に、旅館の人たちのいい加減な情報によって、危うく飛行機に乗り遅れるところだった。

 このときの旅行プランは、

1日目 大分市内で宿泊

2日目 JRで別府に移動して、和み月に宿泊

3日目 バスで大分空港へ

というものだった。

 和み月に宿泊する日、最寄りのJR駅まで旅館の人が車で迎えに来てくれた。車の中で、翌日はバスで大分空港に向かうということを話すと、旅館から歩いてすぐのところに空港行きのバス停がある、という返答。迎えに来てくれた駅から旅館までの途中にバス停があり、場所の確認もできた。確かに歩いて数分で便利そうだ。

 チェックインのときは、バスの時刻表まで渡してくれ、次の日の朝はバス停まで車で送ってくれるという。手厚いもてなしである。

 で、くつろぐ。

 食事も美味しく、部屋付きの露天風呂は気持ちいい。部屋も清潔感があってグッド!

 DVDの無料貸し出しサービスもある。


 事前に調べた評価通りである。

 翌日、とても満足して、チェックアウト。

 仲居さんが、バス停までの車を用意するので暫く待って欲しい、と言う。歩いてすぐなので車は不要かと思ったが、せっかくの申し入れなので受け入れることにした。

 が、なかなか車が来ない。

 近くなので歩いて行くと言っても、すぐに車を準備するから待ってほしい、と言う。

 しかし、バスが来るまであと数分しかない。

 さすがに焦って、歩いて行くことにした。

 旅館を出て数十メートル進むと、後ろから車が追いかけてきた。いまさら車に乗っても仕方ないし、車に乗るような距離でもないので、

 「バス停は、大通りに出たところでいいのですよね?」

と確認すると

 「私は知りません」

という、とぼけた返事。

 ずっと待たせておいて、どういう料簡だ!

 客をなめるのもたいがいにせいよ!

 「では、バス停の場所だけでも確認して下さい」

という言うと、車が走り出して、歩いている地元人らしき人に道を聞いて

 「間違いありません」

という返答。

 バス停に着くと、なんとそのバス停は空港行きではない。単なる地元ローカルのバス停である。旅館からもらった時刻表とバス停にある時刻表は全く違うし、そもそもバス停の名前も違う。

    がーん・・・

あわてて旅館に確認の電話すると誰も出ない。

 どうしよう、と悩む暇もなくバスが来た。

 私 「これは空港に行きますか」

 運転手さん 「行きませんよ。空港行きはこのバスに乗って、乗り換えなければなりません」

 さあ、どうしよう。

 乗り換えと言われても、どこで乗り換えていいのか分からない。でも、このままここにいても仕方ない乗るしかない、いや、タクシーにすべきか、と試行錯誤していると、運転手さんが「乗るの? 乗らないの?」と聞いてくる。

 それでも悩んでいいると、運転手さんがバスがドアを閉めようとしたので、思い切って乗ることにした。

 乗るまでに時間がかかってしまったので、きっとバスの乗客はイライラしているだろうと申し訳ない気分であったけど、乗客の一人がxxで降りるんですよ、と優しく教えてくれた。

 さらに、乗り換えのバス停が近づくと、運転手さんが

 「空港行きは次で乗り換えますので、xx円用意して下さい」

とわざわざアナウンスしてくれた。

 さらにさらに、バスが止まって降りようとすると、先ほどの優しい乗客から、

 「ここは本当のバス停ではないんですよ。このバス停は空港行きバス専用のバス停で、私たちが乗っているバスのバス停はちょっと離れたところにあるんですよ。運転手さんが気を使ってくれたようですね」

と教えてくれた。

  ありがたい!

 この世知辛い世の中、こんな親切があるだろうか!

 感動に打ちひしがれながら、バスを降り、空港行きバスを待っていると、今頃になって旅館から電話がきやがった。

 ウソ情報をもたらした奴らに対しては腸が煮えくりかえっていたけど、親切な人たちにふれたばかりなので、

 「空港行きのバス停がよく分からなかったので、電話しましたが問題ありません」

と大人の対応。

 しばらくすると、空港行きバスが来て、無事飛行機に乗ることができた。

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 この旅館は、じゃらんで予約した。

 後日、「とてもいい旅館だったけど、バス停の案内がまずくて危うく飛行機に乗り遅れそうになった」という投稿をした。

 しかし、この投稿のどこがまずいのか、ついにネットにアップされないままである。

じゃらんよ、

せっかくの宿泊客の大切な声を握りつぶすとは、どういうことだ!

嘘つきを保護するのが、じゃらんの仕事か!


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