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 牛タンの真髄は芯にあり

 2004年12月11日、私は仙台にいた。平均睡眠時間3.5時間、休日出勤も当たり前の忙しい12月に、何故、仙台にいたのか。

 理由は仙台のピアノサークルのコンサートに出演するためであるが、その真意は牛タンにあることは言うまでもない。

 ちなみに、コンサートのレポートはコチラから。


 当日の朝、会社に行くときよりも早く起きた私は、なるべくお腹を空かせて昼過ぎに仙台に着いた。

 おお、仙台駅に着いたとたんに牛タンの匂いがする!(ウソです^^;)

 仙台には牛タン通り、寿司通りというのがある。名前の通り、牛タンのお店、寿司のお店が並んでいるのだが、なんと仙台駅の中にある。新幹線の改札(どこの出口が忘れたが)を出て、右に30メートルも歩けば、牛タン通り。寿司通りは牛タンのお店が終わってから。つまり、牛タン通りと寿司通りは1本の直線なのである。

 仙台が初めての私は、地元民の案内によって牛タン通りにある「伊達の牛タン」というお店に入った。地元民によると、本当は隣の「利久」の方が有名らしいが、昼時は1時間ぐらい並ばないと入れないらしい。確かにこの日も、長い行列ができていた。仕方なく次に有名(?)な「伊達の牛タン」に入ったのだ。

 私は知らなかったのだが、牛タンにはタン芯というものがあるらしい。要はタンの中心ってこと(だったと思う)だが、タンは中心になればなるほど、柔らかくて美味しくなるらしい。しかし、残念なことに、すでにタン芯は売り切れ。全くついてない。。。


 牛タン食った後は、コンサート。コンサートの後は、もちろん打ち上げ。打ち上げでしたたかに酔っ払った私は、頭がぐるぐる回る中、深い眠りについた。


 次の日、せっかく仙台まで来たのだし、天気もいいことだし、少しぐらいは観光をしようと思って青葉城へ歩いて行った。ちなみに、青葉城までホテルから30分。お城は例外にもれず山の上。二日酔いの体にはちょっときつい。

 やっと山の上まで来たと思ったら、お城はない。天守閣はどこにある?

 そう言えば、案内板には青葉城址と書いてある。天守閣がないのも当然か。建物は食事処に資料館ぐらい。

 あっと忘れてはいけない護国寺もある。ここには、君が代の歌詞に出てくる「細石」の実物というものを置いてある。また、正しい日本の歴史を教えるみたいなコーナーがあって興味をそそられるが、有料だったし右●的な匂いがただよっていたので、非武装中立の私は見てみぬふり(何のこっちゃ)。

 と、その時、どこかで聞いたことがあるフレーズがバイオリンの音色とともに聞こえてくる。そう、この曲は間違いなく「荒城の月」である。

 青葉城で「荒城の月」が流れるのは当たり前じゃないかと思う人は多いかも知れないが、大分県人にとってはそうはイカのき×た▲。

 「荒城の月」を作詞した土井晩翠は仙台の人であるため荒城の月=青葉城は確かに正しい。しかし、大分県人にとっては、作曲者・滝廉太郎が遊びまくった大分県竹田市の岡城こそが「荒城の月」なのである。

 ちなみに「荒城の月」というキーワードでネット検索しても、岡城の方が多くヒットするから大分の方が一般的ではないだろうか。岡城に行くと、「荒城の月」がいたるところでスピーカーから流されているため、その音楽が脳内に焼き付き、3日間は「荒城の月」が子守唄代わりなるほどである。なお、「荒城の月」オフィシャルサイトによると、「今日歌われているものは大正7年に山田耕筰が伴奏を付けたものである」らしい。

 まあ、ここまで力説することはないのだが、大分出身の私にとっては、青葉城で「荒城の月」を聞くのはすこぶる違和感があるのだ。


 さて、青葉城址までは歩いて来たが、帰りはめんどうなのでタクシー。このタクシーの中で、「荒城の月」のことを言うと、運ちゃんが土井晩翠など仙台にまつわることをいろいろと話してくれる。

 そして話が仙台の美味いものに変わったとき、昨日利久に入れなかったので美味しい牛タンを食べたいと言うと、運ちゃんはその場で利久に電話して、店長に話つけたからすぐに入れるよ、とこともなげに言う。

 マジ?

 この運ちゃんは仙台中央タクシーのNさん。仙台駅のすぐ近くで生まれ育って、いろんなお店にかなり顔が利くらしい。最も有名なお店「太助」でも、運ちゃんの一言で観光客の2〜3人ぐらいはいつでも待たずに入れてくれるらしい。ちょっと書けないが、有名店の裏話などもしてくれた。また、気前もよくてタクシー料金もまけてくれた^^;

 お店の前に着くと、運ちゃんは1人でお店の中に入って行き店長を呼び出して来た。そして、私は店長のエスコート付きでお店の中へ。

 利久の牛タンは美味い! そして安い。

 はっきり言って、伊達の牛タンは「こんなもんか」と思ったが、利久は本当に美味しかった。店長曰く、「うちはすべてタン芯ですから」。そうか、タン芯はこんなに美味いのか。しかも、安い!

 美味しい牛タンを食べてすっかり満足した私は、笹かまぼこをお土産に東京に帰ったのだった。


−−− 最後にどーでもいい話をひとつ −−−

 仙台の人は「マサムネ前」で待ち合わせをするらしい。マサムネ前で待ち合わせという会話を聞いた私は、マサムネという有名なお店でもあるのかと尋ねて大笑いされた。

 もちろん、マサムネとは伊達政宗のことであり、仙台駅の中にある政宗公の銅像のことを指す。渋谷のハチ公前みたいなもんです。

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